05/02/2026
【林産化学研究室卒業論文発表会】
東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科林産化学研究室の卒業論文発表会が開催されました。今年の卒業論文テーマと発表学生を紹介します。また私からの総評を改めて文章にて伝えます。
1. きのこ廃菌床のセルロース繊維の物理的特性解析 北村 知織
2. タケ類の成長段階による酵素糖化率の解析 遠藤 実希
3. ベニテングタケ抽出残渣の機能性解析 ~抗酸化能の解析~ 井戸端 匠
4. シイタケ廃菌床の化学的挙動 石月 翔
5. ベニテングタケ抽出残渣の機能性解析 ~残渣の成分解析~ 山内 愛子
6. 数種菌床シイタケの発生回数が形状と機能性に及ぼす影響 黛 潤汰
7. 新たに開発された木材保存剤の性能特性 平井 汐生
8. 廃菌床中のエイジング処理に伴う木材主要成分の変化 (1)堆積の影響 田中 心乃祐
9. 廃菌床中のエイジング処理に伴う木材主要成分の変化 (2)切り返しの影響 服部滉平
【総評】
卒業論文発表、本当にお疲れ様でした。まずは、今日まで研究に心血を注いできた自分自身を最大限に讃えてください。
なお、参加者全員で投票した結果、最優秀論文賞は黛くんに、優秀論文賞は服部くんに決まりました。
林産化学という分野は、木材成分の微細な構造解明、きのこ栽培から機能性解析、バイオマスの高度利用など@極めて緻密な実験と深い洞察が求められる領域です。
皆さんが日々向き合ってきた野外での調査、試験管や分析データの一つひとつが持続可能な社会を築くための貴重な積み重ねです。
科学研究の推進において最も重要なのは、目の前の結果に一喜一憂せず、その背後にある「なぜ」を突き詰める探究心です。たとえ予想通りの結果が得られなかったとしても、その「失敗」こそが次なる知見への扉であり、学術的な誠実さを持ってデータを直視した経験は、今後の皆さんの大きな糧となるでしょう。
日本木材学会などの学術コミュニティが示す通り、森林資源の可能性を化学の力で引き出すことは、地球規模の課題解決に直結します。皆さんが林産化学研究室で培った論理的思考力と未知の事象に挑む勇気を忘れずにこれからも科学の発展に寄与し続けることを期待しています。この発表は一つの区切りに過ぎません。ここから始まる新しい探究の道が、さらに豊かで実りあるものになることを心より願っています。
林産化学研究室 教授 江口文陽